コノ谷林道から赤谷峰、山天の高
2015/05/06
5人

カシミール1/50000地図です。国土地理院地図にリンクしています


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国土地理院地図埋め込み

コースタイム
登山口09:33-伯母子小屋10:42-赤谷峰11:35〜12:05-山天辻13:00-山天の高13:46
復路
山天の高14:02-赤谷峰15:33-伯母子峠16:05-コノ谷登山口16:45
総時間 7時間26分
紀伊半島は大峰山脈や台高山脈に代表される山々が多い中、比較的植林や林道の少ない自然を残す伯母子岳付近
伯母子峠は世界遺産、熊野古道の小辺路が通る。
高野山と熊野三山の熊野本宮大社を結ぶ最短コースで、今も多くの方々が縦走されている
ただ、今も集落内を通る事も少なく、熊野古道の中では難ルートだ

小辺路の中でも、伯母子峠、三浦峠、果無峠越えは三大難所の峠越えだった
今回歩いた尾根は1300mの低山で、傾斜も厳しく無く見晴らしがあれば、紀伊半島の山々から、金剛の山々まで見晴らせ、古人(いにしえびと)達は、伯母子の峰から見えた金剛山や高野山を振り返り、行く先に立ちはだかる三浦峠に目を見張り、気持ちを引き締めたものだろう
そんなロマンの感じる今回の縦走路も、十津川や大塔の村と結ばれた古道があった。
伯母子岳の登山コースとして忘れられつつあるコノ谷登山口。
昭文社エアリアマップは廃版になったが、中西政一郎氏や中庄谷直氏が書き残した奥高野エアリアマップに載る山々は開発が進み、林道や植林にその姿を変えつつあるが、伯母子岳付近は近年まで生活道として使われていたために自然のままで古道の形を残す部分が多い。
今回は、時間の都合上、コノ谷林道からコノ谷登山口に入り、山天の高までピストン縦走をした。
コノ谷林道は未舗装路で一般車は入りにくいが、底の高い車なら入る事が可能だ。
何度か乗り入れたショウタンだが、今回はマタマタ、JJ氏のXトレイルのお世話になった
登山口の状態をすっかり忘れたショウタンは登山口確定に少々時間がかかった。
  
登山口には古い道標があり、最初の取り付きはやや危険なトラバースだが、距離は20m程度で尾根に出る
尾根に出ればふみ跡を直登に尾根を登ればいい。
  
小木のシャクナゲは美しい花を咲かせ、スミレは可愛い
ワイワイ、尾根中央をひたすら登れば林道に出る
この林道を東に向かえば、国土地理院、伯母子峠に出て目的尾根に入るが、伯母子の山小屋前の伯母子峠に出るには、林道を越え後一登りだ
  
現在は小屋前に伯母子峠の道標があるが、国土地理院は少し東のピーク下にその名を示す
よくよく見ればその位置に古道らしい跡が残っている。
近年ルートが変わったものだろう。
カシミール1/50000にエアリアマップから地名や茶屋跡をうつして書いてみた。
小屋南から紀伊山地の山々が見張らせ三つ葉ツツジが景色を飾る
今日のコースは単純尾根だが、マーク少なく踏み跡が薄い、地理院地図を持って現在地確認を怠らないようにしよう
迷えば麓への道は難しいだろう
  
小屋横から小さなピーク越えに踏み跡は有るが、楽々コースの林道から、地理院が示す伯母子峠に歩く
三叉路の林道からフラットな尾根に入ってゆく
芽吹きだした自然林は美しい。
赤谷峰のピークまではやや踏み跡は感じるが、それでも登山者は少ないようだ。
古いロボット雨量計跡が壊れ朽ちている
裸岳の尾根分岐は広い垰だがこの時期ならその位置は掴みよい
やや標高を稼ぐと、三つ葉ツツジが綺麗な山頂に出る
  
尾根の様子                       木を切り出した名残り                 ロボット測量の残骸

  
山頂には二等三角点、赤谷峰が鎮座する。
山名と点名が一致する。
点の記を書いてみよう

等級種別、二等三角点 点名 赤谷峰(あかだにみね) 北緯 34°05′00″.3026東経 135°40′06″.7059 標高1336.24
所在地 吉野郡十津川村大字杉清字オバコ34番地。
選点 明治34年6月11日 埋標明治34年9月28日 最近観測日 昭和60年6月20日
点石は昭和60年7月8日に作られた新しいものだ。

とにかく山頂からの見晴らしは最高だった



 
高野山方面や伯母子岳、夏虫山がきれいに見張らせた。
コンパスで方向を確認して山天の高に向かう
厳しいアップダウンは無いが、緩やかな登り降りは疲れるものだが、尾根の景色に癒されながら歩けば楽しいものだ
この尾根には巨木もあるが、どの巨木も根元から枝分かれしている。
何が理由か分からないが、不思議と美しい
  

 
山天の辻を確定してワイワイ
  
ここから下りこむが、今日の最大傾斜と言っても緩やかなものだ
後少しで山天の高と言う所でリュックをデポするが、偽ピークにだまされ、もう一つ向こうだと賑やかだ
 
美しい山天の高ピーク、三つ葉ツツジも美しいが、十津川の山天集落が見えた
山天の住人が山天辻を通ったものだろう。
  
同行の女性が山天の集落のユーチューブを探してくれた
ここにリンクしておこう

https://www.youtube.com/watch?v=2658y3BNl_M 

 
宝来の鈴さんは点名を知らしめるが、理解できない方も多いと言う。珍しい点名版

山天の高の三角点の記

このピークは山天の高(やまてんのこう)と呼ばれるが、点名は山天だ。
三角点について点名と、山名の違いを理解できない方がいるようだが、点名とは三角点の名前だ

点の記
三等三角点 点名 山天 北緯 34°05′12″.6974 東経135°41′59″.9513 標高1317.12
所在地の埋標の頃の明治の住所は
奈良県大和の国吉野郡十津川村大字山天字ダラマタ
俗称 榎谷瀬戸

選定 明治36年6月1日 造標 同、7月28日 観測 同、10月28日
古い資料は面白い、大切にしたい三角点だ。
 

来た道を引き返す。お疲れショウタンは待って待ってと足を引っ張るが、本当に最近は足が重い
  
赤谷峰ピークまで引き返し、越後屋主人から美味しいフルーツをいただき、元気を取り戻す

後は下りのみのコースだ。
国土地理院の伯母子峠から直接林道で下山尾根に向かい。
ワイワイと下山した
 

  
登山口の尾根先少しはトラバースの○危だが、このコースは地図が読めれば初心者に良いコースだろう
植林を抜ければそこは古道ロマンの道、体力があれば伯母子岳に足を伸ばし、マタマタ清水峰や谷瀬のつり橋に縦走も良いだろう
ショウタンはこの付近の尾根縦走は経験済みだが、体力勝負の道で、これといった危険箇所は無かった
ただ、読図力は大切だ。尾根を間違えれば大変な事になる。テープや道標が無ければ歩けない方は、無謀なコースになるだろう

注、コノ谷林道はダートな道だ。車は底の高い車が望ましいが、ショウタンのフイットで半分ほど入った経験がある
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