かつらぎ町三谷坂(勅旨坂)
2015/09/25
二人

ガーミンの軌跡

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登り時間 3時間50分
下山時間 4時間
総時間8時間10分
高野山の参道で丹生都比売神社を経由して高野山に登るルートに三谷坂がある
紀州街道から高野山に登るルートとしては急坂だが、雨が降って泥濘化する町石道に対して三谷坂は泥濘化せず、又少しは近道だった
町石道は、天野の丹生都比売神社にはわざわざ遠回りしなければいけないが、三谷坂は直接行け、町石道に出会って高野山に行ける

今回はJR妙寺駅前から三谷橋を渡って丹生酒殿神社に向かい、神殿裏にある鎌八幡宮を参詣して、三谷坂へと入った
途中に、笠石や頬切地蔵や、鉾立て石、経文岩、水場の涙岩と拝水、まっとう石等の見所がある
その中でも珍しい、笠石は見所の一つだ

丹生都比売神社に参詣して天野を取り巻く山を読図で半周して近道を探しながら妙寺駅に下った
チョットのつもりが18kmも歩くロングコースになってしまった懲りないショウタンだ。

馬鹿なショウタンは、JR妙寺駅と笠田駅を間違えて笠田駅でウロウロ、駅前で三谷坂を尋ねて、大きな間違いに気が付くミスをおかす
 

紀州街道(紀州藩参勤交代の道で、高野山や伊勢参りの道だ。今も四国霊場88箇所参りの最後、歩き遍路はこの道を利用して高野山に登る)を通って妙寺駅に移動、JR妙寺駅には三谷坂と書かれ、世界遺産追加の申請中と聞く
妙寺駅の有るかつらぎ町は、丹生都比売神社や町石道の一部が含まれている
又、干し柿の産地の四郷もかつらぎ町でこの駅からハイキングが可能だ
駅前を南に国道24号を渡り、正面のかつらぎ公園に突き当たり、紀ノ川堤防に上がって東に歩けば三谷橋だ
三谷橋を渡って広い道まで出て西に歩き、丹生酒殿神社、鎌八幡神社、三谷坂の道標が出るまで歩く
手持ちの資料が少し古く、新しい道が出来少しウロウロとしたが、そう難しくはない
  
かつらぎ公園にある仏像                 三谷橋昭和30年、1955年の古い橋だ     三谷坂に入る
丹生酒殿神社、鎌八幡神社、三谷坂の道標に沿って南に入ると直ぐに丹生酒殿神社が出て、本殿の裏に鎌八幡神社がある
  
イチイカシの木に神が宿り、鎌を深く打ち込み深く入る事により願いがかなうと書かれていたが、私欲には願いは叶わないと有る
柄が無くなるほど古いものや、木が成長して半分ほど食い込んだものなどがある
見た目は痛々しい木だが、木に鉄分が入り木が強く成長する。
それにしてもイチイガシの木の生命力を感じた
三谷坂道に出て古い石の道標に沿って村中を登ります
直ぐに宮滝の看板が出ますが道からは見えません
小さな滝が落ちていますが、看板によるといろんな伝説があるようです
  
宮滝から段々と傾斜が出る。かつらぎ町は、たねなし柿のヒラタネという品種の生産地だが、この柿は渋柿で渋を抜かないと食べられない
所が熟すと甘く、柿の熟すのを待って動物や、鳥が食べに来る。
耕作を放棄した柿の木も多くある。手を伸ばせば熟した柿が・・・・
  
三谷坂には自然が多く、振り返れば紀ノ川平野や、和泉山脈が美しい
途中で柿農家の方と話した。この方も登山が好きで、先日も槍ヶ岳や穂高に行ってきたとか
地下足袋で登山をするという79歳の登山好きだ。
話を聞けば笠石の地主さんで、説明にある雨引山から笠が飛んできたとあるが、そうではなく、地元では笠松峠から飛んできたと言うと言う
  
柿農家の方

下山中に再度出会い渋抜きをした柿を好きなだけ持って帰れと、コンテナ一杯分を差し出されたが、まさか担ぐわけにも行かず、適当にリュックに頂いた
急な坂道を登ってゆく、コンクリ舗装の道は何故かよくすべり、通常より力が要る
笠石は直ぐに出た
 
案内看板の切り抜き
直ぐに鉾立て岩と経文岩が出るが、経文は読めず鉾立て岩は道の拡幅工事のときに削られ昔の姿ではないらしい
 
だんだんと険しさを増す道だ。左手に涙岩と拝水の案内があり、今は飲めそうにないが、年中枯れる事が無く、お助け水で有ったようだ
前出の柿農家の方の話では、少し前までかつらぎの高校に天野から徒歩で通っていた6〜7高校生がいたと言う
自転車を使える傾斜ではなく、高校生の力強さが見えてきた
この付近からコンクリが湿り、滑りがますます増す。歩き注意の坂道だ
コンクリ舗装が終わり、階段が出て直ぐ上に頬切地蔵の案内が出た
坂道から少し奥まった所にある頬切地蔵(ほきれじぞう)
 
自然石に金剛界大日如来、釈迦如来、阿弥陀如来が彫られたもので、大日如来の頬の割れ目が傷のように見えることから、首から上の病に効くと言う。ショウタンは難聴の防止と痴呆が進みつつある頭の病気の回復に手をあわせた。 大汗
今も村人の信仰が厚そうで、休憩所が併設されている
頬切地蔵少し上にまっとう岩の看板が出る
まっとうの意味は分からないが、植林で無かったころ、三谷から見え、それを的に登ったのではないかととの事だ
 
まっとう岩まで三谷坂から40mだが尋ねる人は少なそうだ。
三谷坂は、町石道や京大阪道のように有名ではなく、登られる方は少ないのだろう
坂道に戻り登る。林道を越え草の生えた三谷坂を上る
この付近は沢蟹とヤマホトトギスの花が多くあり、沢蟹は踏みつけそうなほど多くいた
 
直ぐに笠松峠の車道に飛び出した
車道を登りピークを少し下った所の左手に笠松峠、右手に三谷坂の案内がある。
そのまま下ってもいいが、古道に拘った。三谷坂の道標は車道を指すが、その裏から山に入る踏み跡に入る
  
入るとさらに道標が出て、その奥で下草刈りの方と出合った。

車道が出来、三谷坂は分断され、道まで届かない階段を作った。今道を復元しようとするが、地主や村との話し合いが上手く行かずと嘆く
なるほど、その方が言う通りの道になり、道に届かない階段が有った
 
道標裏から入るが道ではない            工事のため作られた階段だが道に届いていない

道に沿って天野の里に下る
 
テン日干しの米が美味しいだろう。
栗が道に転がっていた。聞けばイノシシの食べ残しだという。
少し頂いた
  
車道で手を振る下草刈りの方だ。
車道に出て、下草刈りの方と再度出会う。
より詳しい道の話や山の話、元気で歩けと高価なドリンク二本と桃ジュース缶を頂いた。
優しい方たちとの出合いだ。

丹生都比売神社に手を合わせ昼食を取り下山にかかる
相棒と読図を楽しむべく天野尾根を半周した
  
地図を見ながら、紀の川沿いの宮本集落に下る峠に向かう
天野の里だけでもハイキングは楽しい。
途中にたわわに実ったアケビが熟れていた。口にほうばれば甘味が最高だ
種をプップット飛ばすのが楽しい
峠ピークから愛宕山に向かう。現在地を読みながら歩く相棒は、読図の腕を挙げている
 
愛宕山には祠が有り、雨乞いのピークで餅まきが有ると言うが、今は草に埋もれていた
地図の破線通り歩く、林道に成った古道だ。
道なりに歩く相棒だが、地図から尾根に入るのが良いだろうとの読みは未だ未熟だ
結果途中から斜面を這って尾根に登った
ピーク681付近の読図は難しいが、目茶正しく読んで歩く、ここはショウタンが間違った所だ
次の読図難所でもピタリと位置を当てるが、ピーク越えが行きよいと、尾根に乗る
所が、目視できずに少しウロウロとして、昔そのピークに祠が有ったのだろう。石積みを見つけた
 
四等三角点三谷峠を確定して、下草刈りのおじさんと出合ったところにくだり、笠松峠に出る
ここから教良寺集落に下るには、車道を下るか、町石道に出て途中から教良寺に下るかが普通だろうが、道が遠いとバリエーションだ
地図には墨破線が通るが、そんなものは当に無い
代わりに林道が出て、近道を信じて下った
  
 
農道に出て、より近道と柿畑の作業道を下り、教良寺車道に出て急ぎ足で下ると、山好きな柿農家の方が車で手を振って、お帰りと挨拶して下さる
有難う。手を振った

中番の車道に下り歩いていると、柿の集積場から呼び止められた
山好きな柿農家さんだ。
書いたように、柿を好きなだけ持って行けと差し出された。
お名前を聞いている。又出会えるだろうし一緒に山に登りたい
三谷橋を渡って、妙寺駅に帰った。
 

注意
三谷坂のコンクリ舗装は目茶滑る。私達はすべりを嫌ってバリエーションを取って下ったが、丹生都比売神社から二つ鳥居に出て、町石道を下り、教良寺に下るのも良いだろう。町石道にそのように書いた道標が有った記憶がある。
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